CASE STUDY

顧客事例

永和ホールディングス株式会社 様

自走する現場を実現する。単なる導入支援にとどまらない、伴走型パートナーとの協働

課題・背景

永和ホールディングス株式会社は、コロナ禍による営業活動の制限や、属人的な営業体制による情報共有の不足を課題としていた。顧客対応の質向上と営業ナレッジの可視化・共有を目的に、Salesforceの導入を検討。以前の導入検討が頓挫した経験を踏まえ、今回は伴走支援による着実な定着を重視した。

導入効果

Salesforce導入後は、営業活動の見える化が実現。営業進捗や顧客情報を一元管理し、共有の効率化が進んだ。属人的な対応から脱却し、全体の営業力向上も果たした。リモートワーク環境でも円滑なコミュニケーションが可能となり、業務効率が大幅に改善した。

永和ホールディングス株式会社は、食品香料や乳酸菌などの食品関連素材を取り扱う専門商社です。各分野に精通したスタッフが国内外の広範囲にわたる調達ルートから厳選し、様々な用途向けに提供しています。また、付加価値の高い、ご利用し易い製品の加工及び新しい製品の開発も行い、人生を彩る「食」の探求を日々続けています。

永和ホールディングス株式会社 取締役 奥山健太氏

――Salesforceの導入の背景と用途、当時抱えていた課題について教えてください。

Salesforceの導入を最初に検討したのは、実は今から5年ほど前、ちょうどコロナ禍が始まった時期でした。在宅勤務が一般的になり、これまでのように食品工場へ訪問して営業を行うというスタイルが難しくなったんです。弊社は長年「足で稼ぐ」営業が基本だったため、急激な環境の変化に強い危機感を覚えました。

ただ当時は、社内にベテラン営業が多く、デジタル化に対する理解や共感があまり得られなかったこともあり、一度は導入が見送られました。ただ、その時に共感してくれていたメンバーの一人が、今では営業部長になっており、今回改めて「もう一度やろう」とプロジェクトを立ち上げるきっかけになりました。

以前は、サプライヤーごとに担当営業がついており、社内での情報共有がほとんどなかったのが大きな課題でした。結果として、同じ取引先に複数の営業が個別にアプローチしてしまうこともあり、お客様から「誰に問い合わせればいいのかわからない」と言われてしまうケースもありました。

こうした背景から顧客担当制への移行を進めたのですが、それに伴って、情報共有の仕組みや文化が追いついていないという新たな課題にも直面しました。

――数あるCRMツールの中から、Salesforceを選ばれた理由は何ですか?

Salesforceについては、最初に導入を検討した当初から知っていましたし、業界内での信頼性や知名度も高かったため、他のツールと迷うことはほとんどありませんでした。

特に、営業活動を「見える化」して、どのやり方が効果的なのかを数値で把握できるようにしたいという思いが強くありました。また、営業だけでなく、帳票の管理やサンプル提供の状況管理など、他業務にも活用できる拡張性に大きな期待を寄せていました。

――ORITを導入支援パートナーとして選ばれた理由は?

Salesforce社からの紹介でORITさんのお話を伺ったのが最初の接点でした。石川さんがSalesforce社のご出身という点もあり、最初から高い信頼感を持てました。

過去に別のMAツールを導入した際、形式的なサポートはあったものの、結局ほとんど活用できなかったという苦い経験があったんです。「わからないことがあれば聞いてください」と言われても、何がわからないのかすらわからないという状態でして…。だからこそ今回は、こちらの状況をしっかり理解し、伴走してくれるパートナーと組みたいと強く思っていました。

その点、ORITさんはこちらが伝えたらやってくれるという保守的な関わり方ではなく「一緒に作っていく」というスタンスを取ってくれたことが、大きな決め手となりました。

――プロジェクト開始後、進行の仕方や品質についてはいかがでしたか?

当社では、もともとSlackのようなチャットツールの活用にも慣れていなかったのですが、そうした部分も含めて非常に丁寧かつ密にご支援いただきました。良い意味で“圧”を感じるほどでしたね(笑)。

しっかりと期限を切ってタスクを提示していただけるので、こちらも自然とプロジェクトに向き合うことができました。通常業務と並行しての進行ではありましたが、確実に一歩ずつ進められたのは、ORITさんの伴走支援があったからこそです。

特に新しく入ったメンバーにもスムーズにプロジェクトに関われるよう配慮いただいた点もありがたかったです。ただの導入支援ではなく、共にプロジェクトを動かしているという実感がありました。

これまで社内のシステム導入は私が主導することが多かったのですが、今回はプロジェクトの規模も大きく、すべてを把握しきれない部分もあります。

でもそれくらい現場が自走できているということでもあり、それは伴走支援があるからこそだと感じています。私自身は「決めるだけでいい」状態になっていて、すごく楽させてもらっています。

少しずつですが思い描いてたところに、近づいてきてるという実感もあります。最初にSalesforceを社内に提案した時から、単に「システムを導入すること」自体が目的ではなく、それを通じて営業全体の意識を変えていきたいと思っていたんです。

食品業界はまだまだアナログで、いまだにFAXで注文が飛んでくるような世界です。もちろんそれが全部悪いわけではないけれど、だからこそ業界内で「テクノロジーをちゃんと使える商社」という立ち位置というのは、差別化になると考えていました。

現場への定着化は本来は社内でやるべきことだと思いますが、なかなか社内でのリソースがさけないこともありますし、そこを外部から支援してもらうことで、実現できています。

――今社内での変化や、定性的な成果についてはいかがですか?

定量的な成果はこれからですが、まず社内の意識が確実に変わってきています。

Salesforceなどのツール導入は単なる手段にとどまらず、「情報をどう活かすか」「なぜこれを使うのか」という目的意識が、徐々に現場に根付いてきています。

また、営業部が社内で最も人数の多い部門なのですが、「営業が変わろうとしている」という姿勢が、他部署にも良い影響を与えていると感じています。部門横断的な意識改革のきっかけにもなっているのではないでしょうか。

――ORITに今後期待することはありますか?

これまでの弊社は、営業担当が個人単位で動くスタイルで、会社としての一貫性や連携があまり見られませんでした。俯瞰して見ると、営業部門だけがDXの流れから取り残されていたんです。

一方で、バックオフィスや管理部門では、ペーパーレスやクラウド化などがかなり進んでおり、システム導入も活発に行われてきました。そうしたギャップがようやく、Salesforce導入を機に埋まりつつあるという手応えがあります。

マーケティングオートメーション(MA)も活用してメール配信などをご提案いただいて、それはあくまでマーケティング手法の一つですが、大切なのは「これだけやればいい」ということではなく、他の施策とも組み合わせて、見込み顧客を増やし、商談を増やし、最終的に売上を伸ばすことだと思っています。

その考えをもとに、今はMAだけでなく、SEO対策・記事制作・サイトの導線改善など、マーケティング全体も支援していただくなど、支援領域も広がってORIT.さんとはお付き合いをさせていただいております。

今までは点の施策でしたが、今後は営業活動と連動させて、全体最適を目指していきたいと考えています。ただ、これらは一人二人でできるものではなく、営業自身が主体的に「会社としてどうあるべきか」を考え、動く環境が必要です。

ORITさんには、そうした変革の伴走者として、引き続きご支援いただけることを大いに期待しています。

――最後に、どのような企業にORITをおすすめしたいですか?

弊社のような中堅・中小企業にとって、ORITさんの支援は非常に心強いものです。大手であれば自社にIT部門を持ち、ある程度の開発や運用も内製で対応できるかもしれません。ただ、我々のようなリソースに限りのある企業では、そうはいきません。

そうした現実を踏まえて、ORITさんのような存在は本当に価値があると感じています。「このやり方なら実現できるかもしれない」といった具体的なヒントや気づきを与えてくれる点が、何より魅力です。

ですので、同じような課題を抱える企業におすすめしたいですね。

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